左岩稜    昭和53年2月26日
  左岩稜

コースタイム    昭和53年2月26日 (快晴)
大沢休泊所発5:00〜左岩稜末端発9:00〜右岸ルート上発11:30〜山頂着 13:00〜仏石沢上部〜大沢休泊所着17:00 
メンバー:加藤三郎・木ノ内高嘉・漆畑敬雄・工藤紀代

 朝5時、星のまたたいている中を出発。休泊所の裏から右岸ルートを登る。2時間ほどして、大沢に降りられそうな地点から沢筋に降り出す。落石をよけながら、雪の急斜面を小尾根2つトラバースぎみに越して、左岩稜下部の雪稜に着く。ここより左岩稜の稜線に向かって直上する。落石の通り道を左に見ながら、2時間ほど登る。左岩稜下部にある稜上の大岩の下で小休止する。

  ここよりアンザイレンする。左手より取り付き、5メートルほどで岩稜上に出る。40メートルザイルを伸ばすと、あとはコンテとなる。20メートル進んでドーム状岩壁に突き当たるり、左に巻く。ドーム壁の基部を40メートル左にトラバースし、雪壁を2ピッチ登り、ナイフリッジの雪稜上に出た。また現れた岩峰の基部を右に巻き、3メートルの壁を越す。この上の雪壁へは、絶えず上から落石があり、一つや二つ当たるのは、覚悟して行かなければならない。この雪壁を2ピッチ左上し、次の岩峰の基部に達する。この岩峰は右に巻き、凍ったガレ場をつめると、ひょっこりと右岸ルートを登って来た仲間が休憩していた。

  合流して山頂に向かう。山頂の釜は強風のため、這って進む。ようやく山頂の測候所の前の剣が峰と書かれた御影石を触った喜びもそこそこに釜縁を戻り、仏石沢より大沢休泊所に戻る。           (紀代 記)