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右岩稜 昭和55年2月10日
右岩稜
コースタイム 昭和55年2月10日 (快晴)
大沢休泊所発5:20~右岩稜末端7:45~山頂14:10~仏石沢上部14:30 ~大沢休泊所着15:35
メンバー:小林久仁彦、工藤誠志
昨年、右俣途中から、右岩稜に登り、大沢上部に戻ってお鉢稜線に抜けた。中途半端な登攀となったので、今度こそ、右岩稜を初登しようと、張りきって臨んだ。5時半に行動開始する。1時間少々で、ローソク岩を通り越す。そこから、沢底へとトラバースを開始する。右岸から沢底へ張り出す小岩稜を3つ越して、沢底に着く。そのまま、反対側の右岩稜末端の末広がりの雪面を登り出す。広い稜上の最初の岩壁帯の中央の凹状部より、左上のバンドに乗越し、そのバンドで、アンザレンする。
確保用に、3本のハーケンを打ち、工藤トップでバンドを左へ巻く。巻き終わる頃、ピッチを切る。2ピッチ目は、小林君が、岩稜の左のバンド状の雪面を登りつめ、岩稜上の雪稜に登りピッチを切る。稜上には、小さな岩壁帯がある。これも、壁に沿って左へ巻き、雪面を選んで進む。やがて、急傾斜な雪稜となり、それを3ピッチ交互にトップに立って登り進む。すると、ちょうど、左岸の鎌形壁の左隅に突き当たる位置に出た。ここで、右岩稜は、終了した。ここからは、右俣の上部の沢筋に降りるか、鎌形壁の先の左岸側壁を登り、左岸に抜け、山頂に向かうコースが考えられる。右岩稜を登って来た以上、このまま右俣へ下降するのは、しゃくである。左岸側壁に沿って、左岸上に抜ける弱点を探しながら、3ピッチ進む。そこまで来ると、一ヶ所2段にくびれたバンドが右に伸びている所を見つけた。その個所を、工藤が右にトラバースしながら登り始める。2段目のバンドでハーケンと岩の出っ張りで確保し、小林君を登らせ、先に行ってもらう。やがて、「登ってこい」のコール。側壁の日陰から、太陽光線が降り注ぐ右岸上に飛び出した。
その先に山頂観測所のドームが、目の前にそびえてる。このまま、3776メートルの日本の最高点に行けるのかと思うと、気分も爽快になる。右岩稜を初登して、そのまま日本最高峰へ。
吹き飛ばされそうな強風の中、仏石沢の下流に全体重をかけて風で押し戻されないしながら、大沢休泊所へと降って行った。